HISモバイルが予告していた「海外渡航者向けのSIMカード」が発表になった。購入は6/22から受付、サービス開始は7月1日から。さて、この記事は以前発表時に書いたもののリライトだけど、新たな情報が出ていたので再度up。
実際にはうまく使えなかった話。
- 【NEW!】日本初の「サブSIM」技術を導入!【NEW!】
- 変なSIMはMVNO(いわゆる格安SIM)利用者の福音となるか?1日500円で200MB通信可能
- まとめ:変なSIMはMVNO利用者にはピッタリ、ただし渡航先によっては最適ではない
- とりあえず買っとくといいかなとおもいます
【NEW!】日本初の「サブSIM」技術を導入!【NEW!】
当初の発表にはなかった「サブSIM」。これはSIMカードの上に貼り付けて、アプリでどちらのSIMを読むかを設定する…という仕組み。
これおもしろいっすね。もちろん利用にはSIMロックの解除が必要であるほか、スマートフォンによっては「SIMが入れにくくなる」こともある、と書かれている。まあ最悪ヤスリで削って薄くしてしまえばいいかな?
これの何がいいかというと、「国内で利用しているSIMと共存ができ、差し替え不要」であること。抜き差しのためのピンを持ち歩く必要がなくなるし、これは素晴らしい。あとは使用感がどうか、かな。
なお、通常のプラスチックタイプも選択可能。
これのおかげで、SIMスロットを占有することなく「常に挿入されている」状態を保てるので、うまいこと考えたなというかんじ。
変なSIMはMVNO(いわゆる格安SIM)利用者の福音となるか?1日500円で200MB通信可能
変なSIMのスペックとしては
- 75以上の国、地域で利用可能
- SIMカードは何度も使える(有効期限なし、ただし使わないと無効になる模様)
- アプリ内課金として500円課金すると、24時間利用可能。24時間で200MB、オーバーしても低速(128kbps)で通信可能
- 多くの国でLTE回線利用可能
- テザリング可
というかんじ。なかなか便利そう。
で、SIMの価格は1980円だけど、期間限定(2018年9月30日まで)で990円。これに使用のたびに課金が必要なので、1日当たりの価格としてはまあ…漸減して500円よりちょっと高いくらいに収束するかんじ。まああとは通信速度がどうなのかはちょっと使ってみないとわからないけど。
利用には(当たり前だけど)SIMロック解除orSIMロックフリーのスマートフォンが必要。特に、docomoやauの古いスマートフォンにMVNOのSIMを差してる人は要注意(これらの組み合わせだとロック解除されてなくてもMVNOのSIMが利用可能な組み合わせがあるため)。
海外旅行定番SIMのSIM2Flyと比べてみる
SIM2Flyと比べてみる。SIM2Flyについては↓。
変なSIMの料金
料金面ではAISのSIM2Fly(ヨーロッパ対応版)と比べると、日本のAmazonで購入する場合
4GB/15daysで4000円(つまり一日266MB)、ただし配分は自己の裁量で可能なSIM2Fly
に対して、
200MB/dayで500円、(つまりSIM2Flyと同額で8日利用可能)、ただし通信量の配分が必要な変なSIM
というかんじ。これはなかなか悩ましい。
なおアジア用SIM2Flyは4GB/8daysで1500円。こりゃさすがにこっちの方が安いっすね。
アジア版。
料金の面だけで考えれば、
・あまり通信をせず、9日~15日間の滞在で安く済ませたい場合→SIM2Fly
・短期滞在で沢山通信したい→SIM2Fly
・アジアの対象国渡航→SIM2Fly
・1~8日滞在であまり通信をしない→変なSIM
・16日以上滞在で、現地SIMを調達する余裕がない→変なSIM
・多少高くてもよい、日本の電話番号を待ち受け状態にしつつ、その番号で通信もしたい→ドコモパケットパック海外オプション/au世界データ定額
という具合になりそう。SIM2Flyの方が自己の裁量で通信量配分ができるのは良心的ではある。
なお、1日200MBというのは1か月にすると5~6GB。とはいえ、旅行中は画像を扱うことが多くなるため、通信量としては増加傾向になるかなと思う。なので、日本国内で3GB/月くらいのプランで十分足りている人にはいいんじゃないかな。
変なSIMのエリア
エリア。エリアに関しては変なSIMはなかなか優秀で、SIM2Flyでは利用できないバルト三国が変なSIMではちゃんと入っているほか、全体的に変なSIMは「日本人が渡航しそうなところ」はきっちりカバーできている印象(ドコモのパケットパック海外オプションにはかなわないけれども)。特にヨーロッパではSIM2Flyは弱い。しかしアジアではアジア版SIM2Flyにはある「ラオス」「ネパール」が変なSIMではカバーできていない。
これらを考えると、アジアではSIM2Fly, ヨーロッパでは変なSIMがだいたいにおいて価格・エリアの面で優位に立っているかな?という感じがする。
まとめ:変なSIMはMVNO利用者にはピッタリ、ただし渡航先によっては最適ではない
上記の通り、使い方次第では既存のSIMより安くなるし、専用アプリでの操作等から通信周りに疎くてもそれなりに使える工夫がされているのが良いとおもいます。
通信量は自己管理が必要
難点としては24時間で200MBしか使えない、というところ。とはいえ日本国内ではMVNO利用の場合、通信量節約等に慣れている人が多いと思うので、それらの人々が使う分にはあまり問題にならないのかな。
こればかりは分からないけど、通信量が多い人はホテルのWi-Fiとの併用とか工夫が必要かもしれない。仮に使い切ってしまっても低速で通信はできるので、連絡手段が絶たれる…ということはなさそう。
複数人で使う場合はやはりレンタルルーターが優位かな?何人かで使うには1日200MBはつらいのではないかなと思う(特に画像をやり取りする場合)。
渡航先によっては最適ではない
上記の通り、使える使えないの問題や、コスト的な問題から必ずしも変なSIMが最適な訳ではないことには注意。
多頻度旅行者のお守りに
年に数回渡航するような人の場合、行くたびにわざわざSIMを調達する必要がないので、その点は変なSIMは便利。ローミングSIMをわざわざほかの国に調達して、海外のサイトでトップアップして…という手間がなく、アプリ課金としてすぐに決済できるのも便利。
通信速度は?
あと問題は通信速度なんだけど…こればっかりは実際に利用してみないとわからないため、実際に使ってみたら再度記事にする予定。
とりあえず買っとくといいかなとおもいます
まあ期間限定で1000円しないし、とりあえず財布のポケットに入れておくといいんじゃないかなとおもいます。ぼくはとりあえず買って持っておくことにした。→と思いきや、なんとSIMの上に貼り付けておくことでそもそも差し替え不要!すごいっすね。
→ちょっと微妙なところがチラホラ。アプリの出来の悪さやうまく課金出来ない等あるので、当面はアテにしない方がよさそう。
au/docomo契約者であれば、渡航回数が少ないなら海外データ定額・パケットパック海外オプションもおすすめ。↓
SIM2Flyも行く場所や使い方次第で役に立つ。