kinakoの便所の落書き

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「世界を変えた書物」展に行ってきた。入館無料で楽しめるよ

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世界を変えた書物展、行ってきた。

 

 

 

現代の科学を支える発見や知見を垣間見れる「世界を変えた書物」展

 

世界を変えた書物展は工学の単科大学である金沢工業大学が主催する、科学関係の稀覯本(レアな本の意)を集めた展示会。

金沢工業大学は科学関係の初版本をたくさん所蔵しており、この展示会ではそれらを垣間見ることができるようになっている。内容は古代から現代に至るまで多岐にわたり、天動説や地動説といった話から電気、化学、そして現代の生物学に連綿とつながる偉大な発見や発表についての本が展示されている(なお、グーテンベルクにより活版印刷が発明されたのは15世紀であり、それ以降のものということになる。つまり数百年の年月を経た本たちを間近に見られるということ)。

…というとかなり堅苦しい感じになってしまうけど、そういうのが一切わからなくてもそれなりに楽しめるようになっている。

 


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 展示スペースはこんな感じでSNS風に言えば「エモい」展示の仕方。ただ、かなり混雑しているので写真を撮りたい場合は開場時間に行くなり平日に行くなりした方がいいかなとおもいます。写真撮影はできるけどフラッシュはNG.設定はかくにんしとこうね。


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アインシュタインの直筆のメモ。個人的には工学よりも純粋なサイエンスが好きなので、こういうのいいですね(前半は建築系ばかりなので)。

 


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 ラボアジエの本。ラボアジエは質量保存の法則や酸素を発見した偉大な化学者。

※質量保存の法則は化学反応の前後で質量が変化しないという法則だけど、核反応等の分野では…ということで自然科学全般の法則とは言えなくなった。まあそれはともかくとして、こういった発見から近代科学の父と呼ばれる。


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 アレクサンダー・フレミングのペニシリンの論文。

※ペニシリンは世界で初めて発見された「抗生物質」で、薬学分野に限らず20世紀の科学の分野では間違いなくトップレベルの発見。ペニシリンのようなβ-ラクタム環をもつ化合物をはじめ、種々の抗生物質は現代ではたくさん化学合成もされている。ペニシリンの発見は抗生物質による感染症の治療だけでなく、がんの治療にも利用されており、21世紀の医療でもその価値は衰えることはない。


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生物学分野では知らないものは絶対にいない、ジェームス・D・ワトソンとフランシス・クリックの論文(核酸の分子的構造)。この論文はなんとたったの2ページ(2ページしか展示されていないのではなく、本当に2ページしかない)。

 

※現代の生物学では当たり前である「DNAが二重らせん構造をもっている」ことをX線回折により発見した、生物・生理学分野では間違いなく最大の発見(この発見があったからこそ医学・生理学・生物学の分野は飛躍的に進歩することができた)。この発見により、古くから知られる「遺伝」という現象が科学的、化学的に裏付けされた(遺伝情報が相補的な二重らせん構造を持つということは様々な面で都合が良い)ほか、現代の分子生物学や遺伝子工学につながっていくことになる。

なおワトソンの方は色々と問題も起こしていて…まあ興味があればググっていただければ。存命です。

 

DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)

DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)

  • 作者: ジェームス・D.ワトソン,アンドリュー・ベリー,青木薫
  • 出版社/メーカー: 講談社
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 ワトソン氏の本。10年くらい前に読んだときはけっこう面白かったけど、この分野に興味がないとつらいかも。


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 各展示のつながりを表したマップ(展示スペースと同じ並びでつながりがあるものには線がひかれている)。とはいっても、実際はもっと細かいつながりがあるとおもいます。

というのも上記の(このマップにはないけど)ペニシリンの発見は光の展示にもあるフックの発明品「顕微鏡」、そこからの生命の最小構成単位である「細胞」の発見に加えレーウェンフックによる「微生物の発見」、パスツールによる「自然発生説の否定」、コッホによる4原則等がなければありえなかった話だし、ワトソン・クリックの「DNAの二重らせん構造」の発見も生命の最小単位である「細胞」の発見や分析手法としての「X線」がなければありえない話だし、さらに言えば放射線の利用は「原子核」の研究がなければなし得ないこと。さらに言えば現在の生物学では計算機科学や幾何学も要求されるわけで、どの学問分野も密接につながっている。

科学の進歩は分析機器・分析化学の進歩の歴史でもあるので、まあどの分野でもそのへんは切り離せないっすね。科学史は面白いので、おすすめの本はそのうち紹介したいとおもいます。

 

 Civは科学史メインってわけではないけど、いろいろなことがつながっているということは理解しやすいと思う。世界史を追体験するみたいな?

 

 

科学や工学が好きな人は是非見てほしい

過去の多くの人が願ってきた、より自身の生活を豊かにしたい、誰かの役に立ちたいと願う気持ち、もしくは純粋な知的好奇心でこれまで発達してきた人間の叡智である科学の世界。多くの人達の願いの上に我々現代人の生活があるわけで、科学に携わる人なら絶対に面白い。携わってなくても、教科書に載ってるような人が書いた本の初版本が見れるのは面白いと思う。というわけでおすすめです。

会期は2018年9月24日まで、上野の森美術館で無料。

開館時間は10時から17時まで。写真撮りたい人は早めの時間が吉。

www.kanazawa-it.ac.jp

 

※文中で科学と化学があるけど、

科学=サイエンス(Science)、自然科学

化学=ケミストリー(Chemistry)

と使い分けています。誤字ではないので注意。