JALの国際線特典が変わった。
JAL国際線特典航空券PLUS導入
12月4日よりJAL国際線特典航空券のルールが変わった。詳細なルールはちゃんと規約を読んでもらうとして、大きく変わったのが4点。
- キャンセル待ち不可(ファーストクラス除く)
- ファーストクラスはクラス混在不可
- 予約変更不可
- 必要マイル数が変動制に
という具合。
さて、これで具体的にどう不便になるか?というと…
必要マイル数の上昇
マイル数に変動制が導入された。もともと実質的にはシーズナリティは導入されていたけど(JALカード割引や減額マイルキャンペーンですね)、より露骨なプライシングをするようになった。最低額は下がった目的地もあるけど(シンガポール等)、空きがない場合はどんどん必要マイル数が上昇していく。なので、「ハワイに行きたいから○○マイルまで貯めよう」というような目標を設けづらくなった。
さらに一度導入されればさじ加減はJAL次第なので、まあ基本的にGWや年末年始、お盆は取れないものと考えた方がよさそう。
実際、来年のGWを検索したらeJALポイントに変換すれば普通にビジネスクラスを購入できる額を(しかも片道!)提示してきた。まあ本来は特典では取れないとはいえ…。
片道で30万マイルオーバー…。有償で往復買えますよね?まあちょっといじったかんじ、330日前に予約すれば、最繁忙期以外はこれまで通り取れそうな感覚ではあった。
予約変更不可
予約変更は一切できなくなった(必要マイル数が毎回違うから仕方がない)。ただ、もともとJALの国際線特典航空券はANAの特典航空券とは異なり「片道発券可能」。なので、日程をずらしたい場合は一度キャンセルして再度予約しなおせばよいことになる。まあもちろん取消手数料が余計にかかるんだけどな!
上級会員の利便性消失
JALの特典航空券予約は「全会員が同条件」だったんだけど、キャンセル待ちについてはJALのさじ加減ひとつで色々ゴニョゴニョ…というか、ステータス持ちは優遇されるようになっていた。これが、そもそもキャンセル待ちができなくなるのでなくなるわけですね。うーん。この辺はおそらくエリートステータス向けの何かを考えていると思いたい。
あとは細かいところで海外発日本経由の旅程が組めないとか、そういう問題はあるけど普通の人には上記の3つが大問題。
また、他社特典からは取りにくくなっているようなので、BAやASでJAL特典…なんて使い方はかなりやりにくくなった。自社優遇なのはいいけど、自社会員もつらいという…(JALで最低マイルであれば提携社からも取れるが、最低マイルであることが少ないためエコノミーが取りにくい。アジア路線はPY、ビジネスのみ空いてる場合が結構あり、そうするとビジネスクラスの必要マイル数が多めなBAは特に不利)。
あまり変わらないけど、結果的に影響を受けるもの
あまり変わらないこともある。
ファーストクラスの予約
ファーストクラスの予約に関しては従来通り、取れなくてもキャンセル待ちになるだけ。また、クラス混在できないとは言っても片道発券すればいいのであまり問題ない(手数料の問題はあるけど、F乗るならキニスンナ!)。ただ、マイル数が激増したビジネスクラスを嫌ってFのキャンセル待ち…なんて使い方はされそう。
提携他社特典航空券
提携社特典航空券は条件が変わらない。まあじわじわ必要マイル数が上がっているのと、355日前じゃなくて330日前予約開始なせいで繁忙期は取れた試しがないけどな!
また、PLUS導入で相対的に価値が上がることになるので、よりとりにくくなることは予想される。
アップグレード特典
アップグレード特典は特に変わらず。ただ、PLUS導入でマイル価値が落ちるため、アップグレード可能運賃で買ってアップグレードにマイルを充てる人は増えるかもしれない。
特典航空券PLUSの利点
とまあ、ユーザーにはいいこと一切ないように見えるけど…一応いいこともある。
即予約確定
いままではキャンセル待ちしないといけなかったような場合も、マイルを払えばすぐに予約が確定する。割増分があまり大きくない場合にはいいんじゃないかな。
各所ブログやTwitter等を見ている限り、傾向としてはアジア路線は従来よりとりやすい+必要マイル数も低めなので、こういった目的地へ行く人ならメリットあるのかも。あとは「どうしてもそこまでたどり着きたい人」(移住等のため片道で絶対発券したいけど、現金を使いたくないとかね。レアケースだろうけども)。
閑散期は取りやすいかも
GWや年末年始はともかく、それ以外でももともとキャンセル待ちが必要だった日にちでは即予約確定ができるのは大きなメリット。また、必要マイル数が1.5倍くらいまでは個人的には許容範囲なので、その程度で取れるのであればまあいいかな。
とまあこんなかんじでしょうか。ぼくがGWの特典をちょろっと検索した限り、欧州行はどうもあきらめた方がよさそうなので繁忙期に行かれたい方は他社に移る(どっちにしろキャンセル待ち必要だろうけども、355日前に予約ができる方が提携他社便をとれる可能性は上がる)なり有償で買うなりした方が良いのかな。これを機に海外発券を始めてみるのもいいのかもしれない(難点は日本に戻る特典航空券も手配しにくくなったところ)。
逆に閑散期に旅行するならばあまり変わらないかもしれない。まあ特典使うなら計画的に使うか、直前解放を狙うしかないのはいつも通り。めちゃくちゃな改悪とまでは言い切れないかな(繁忙期の上級会員や、3年計画でマイルを貯めている人にとっては超改悪だけどな!)。まあ上級会員になる程度に乗るなら閑散期にも使える人だとは思うけど。
ぼくは特典ほとんど使わないから当面はこのまま利用するけど、アップグレード特典も取れなくなったら色々考えたいところ。
ついでに:BA特典の条件変更
話は変わってブリティッシュエアウェイズ・エグゼクティブクラブでJALを利用する場合の話。
ブリティッシュエアウェイズ(BA)でJALをいろいろお得に利用できるのは割と有名な話だと思うけど、一応書いておくと
・JAL国内線が東京からだと本土路線は4500Aviosで利用可能
・マイルは簡単に調達できる
・直前まで予約できた
という感じだった。ところが、つい最近から直前の予約ができなくなった。具体的には3日前以降は取ることができない(つまりJALで取るのと同じ)。また、従来から規約違反だったけど2か月前より早い時期からJAL国内線を取ることができてしまっていたが、こちらも封じられた(正しい挙動になっただけなのでこれで騒ぐのは違うと思うけどね)。
とはいえUAのように緊急発券手数料を21日前以降は取る…なんてこともないし、使い勝手的にはあまり変わらないかな。
ただし国際線に関しては特典航空券PLUS開始のあおりを食ってかなり取りにくくなっているため、ちょっと使いにくい。
まあマイレージ制度は改悪との戦いだし、仕方ない。
というかんじで、JALやワンワールドユーザーには世知辛い話題が続いている感じ。うーむ。