測定してみたよ。同じ路線ではないことには注意。
JAL/ANAの国内線Wi-Fiを試してみる
測定条件としてはどちらも休日の利用で、
ANAは東京羽田-大阪伊丹(HND-ITM)、大阪伊丹-鹿児島(ITM-KOJ)、無償化前の(ANA上級会員は無料)段階でお金を払って使用。羽田札幌千歳(HND-CTS)、札幌千歳-大阪伊丹(CTS-ITM)、宮崎-東京羽田(MYJ-HND)の3区間は無償化後に利用。
JALは東京羽田-那覇・那覇-羽田、鹿児島-羽田の3区間(JALは無料)。
測定にはスピードテストアプリを使用。今回はドコモ謹製品。
測定方法
ドコモのスピードテストアプリを使用して、回線速度を計測する。同時に「実際に使ってみて感じること」を記録。
結果
利用開始については、JALはわかりやすく「ただいまから機内インターネットサービスがご利用いただけます」のアナウンスあり。ANAは特に何もなし。なので、ANAはどのタイミングから使えるのかがさっぱりわからなかった。とりあえずベルト着用サインが消えてから接続を試し始める感じなのかな?(実際にはその前からつながるみたい)。この辺はっきりしているJALのほうが優秀。着陸時は両社ともNGと思ってたら、こちらもANAはいつ使えなくなるのかのアナウンスはなし。まあいいんだけど。
速度はJALのが速いけど、用途的にどちらも重いサイトは開けないので「繋がれば」問題なし(Twitterのユーザーストリームを流してみたけど、画像をのぞけば体感としては違いは感じなかった。画像を見る場合やWebサイト閲覧はJALの方が速い)。ところがANAはそもそも着陸まで一度も接続ができない路線もあった。
また、ANAは搭乗直前までWi-Fiが使えるのかどうかがわからないという問題もある。狙って乗ることもできないのでたいへんつらい。まあこの辺はそのうち解決するでしょう。
JAL HND-OKA(777-300)
これは数値上は異様にいいけど、体感としてはこの半分くらい。あと画像アップロードはやっぱりしんどい。帰りもこんなもん。
JAL KOJ-HND(737-800)
まあJALのWi-Fiの体感としてはこんなもんかな。JALはウェブサイト閲覧が普通にできる。
ANA HND-ITM(777-200)
接続自体ができず!そもそも最初のWi-Fiメニューすら開けなかった。
ANA ITM-KOJ(737-800)
こちらは普通に接続できた。
ANA。上りはJALより早い。まだ有料のときですね。ウェブサイト見るのはちょっと重いけど、Twitterやる分には十分。
ANA NRT-CTS(737-800)
接続はできたけどスピードテストできず。
ANA CTS-ITM(737-800)
遅いけどまあTwitter見るぶんには問題なし。ただ、無償化して速度落ちた?より重くなっていた。
ANA KMI-HND(A321neo)
最新機材でもこんなもんか。ただ個人用画面があるので飽きない。
考察
さて、「ANAのWi-Fiは繋がらないことがある」って話で記事を終わらせるのも芸がないので、数値上の遅さを考える(Twitter見るぶんには問題ないとはいえ)。回線事業者側の話はこちらにはわからないので省略する。
回線品質の検討不足
まずはこちらの記事。JALのWi-Fi無償化の経緯について書かれている。
この記事にある通りJALのWi-Fi無償化は数段階を経ており、確か2年くらいかけて対象者限定→路線限定→接続時間限定→期間限定→無償化という流れだったかなと記憶している。当初から無償化を目指して客の動向の分析を細かくやっていたみたい。
それに対して、ANAの場合はいきなり対象者限定→3か月で無償化という流れ。まずこの対象者限定もいきなり上級会員に対して無償化で、いかにもJALに客を奪われているから焦ってやった感ありあり。
実際にJALの国内線を選んだ理由のアンケートでは「Wi-Fi無料」は上位に食い込んでいる。
どうもこの辺の検討不足が今のWi-Fiの品質の悪さに直結している気がする。
とはいえ、これは回線を太くすればいい(コストはかかる)話なので、そのうち改善するのでは?という気はする(情報を急いで取っていると思われるし)。ただ、JALの方は子会社がより高速な回線を導入しているため、急いでやらないとまた差をつけられてしまいそうなので頑張った方がいいんじゃないかなとおもいます。
一時的な問題(時期、客層等)
羽田伊丹搭乗時のWi-Fi無償化の対象者は「上級会員限定」。こういう人たちはわりかし情報感度が高めで、新し物好きな人が多いんじゃないかなと思う(特にANAの場合)。なので、どこまで使えるかを限界まで試していて、そのせいで回線がクッソ重いという可能性もなくはないんじゃないかな。また、その後の国内線ではさらに回線速度が落ちている。まあこれも客がいろいろ試しているという側面がありそう。
これについては誰でも利用可能になれば落ち着いてくると思うので、まあ5月6月くらいになると真の性能がわかるようになるんじゃないかな?という気がする。
また、ANAの方が遅くなった理由として「使おうとした人数がANAの方が多い」という可能性もなくはない…けど、この線は薄いか(どちらにしろそれであれば一人あたりの通信量を見誤ってるので)。
両社に共通すること
どちらも無料はありがたいんだけど、「お金を払って高速化」みたいなオプションがあってもいいんじゃないかなという気はする。まあ回線品質がもっと良くならないと難しいとは思うけど。
MSCを取り巻く環境が厳しくなる
ANAの下請け4社(ADO, SNA, SFJ, SKY)にとってはWi-Fiの普及はかなり厳しいものがありそう。というのもそこまで安くもなく、コードシェア便として購入するにしてもWi-Fiがないとなると、ANAが全機に装着完了した際には選択する理由かなくなってしまいそう。
国内線機内WI-Fiの動向
JALの子会社、JTAは2kuバンドの機内Wi-Fi設備を導入中。親(JAL)より速いという謎の状況が生まれそう。
また、ANAはドコモらと共同で地上からの電波によるLTE技術を利用した実証実験に成功したとか。
スカイマークはA330型機でWi-Fiを無料で提供していたけど、経営破たんで機材自体がなくなっちゃった。現在の機材ではWi-Fiサービスなし。
国際線においては両社とも有料(JALはJGP以上に無料クーポン配布あり、ファーストクラス利用者は無料)。